「NURO光は独自回線を使用しているから高速」と言われていますが、NURO光自身が持っている光回線を使っているわけではなく、実はNURO光でインターネット接続で使っているのはNTTの回線なのです。しかし、他の光回線と違うのはNTTの光回線のうち「ダークファイバー」を使用している点です。しかし、ここで「ダークファイバーって何?」「どうして同じNTTなのに速いの?」といった疑問が浮かびますよね。
目次
NURO光の光回線はNTT回線を借りて提供している
NURO光はプロバイダの老舗であるSo-net(ソネット)が提供している高速のインターネット接続サービスです。しかし、多くの人はNURO光で利用する光回線はSo-netが独自で所有するものを利用していると勘違いしている人がいるようです。
そこでまずは、NURO光で利用する光回線はNTT回線である情報をご紹介します。
NTTから回線を借りている
NURO光は、NTTの回線を借りて光回線のインターネット接続サービスを提供しています。
日本にある光回線は9割がNTTが所有するもので、国からの援助を受けて全国に設置しています。国の方針としてNTTは光回線を全国に普及させる義務があります。また、光回線を設置、維持、管理するには資金が必要なことから、NTTは光回線の事業者に回線をレンタルしているのです。
例えば、ソフトバンク光やビッグローブ光など「光コラボレーション」と呼ばれるサービスもNURO光同様にNTTの回線を利用しています。
NTT回線を使用しているため、工事もNTTが行う
NURO光の契約申込後は開通する為の開通工事を「宅内工事」と「屋外工事」の2回実施します。
「宅内工事」はNURO光を提供するSo-netの派遣工事業者が行います。しかし、最寄りの電柱から家まで光ケーブルを引き込む「屋外工事」はNURO光の回線はNTTから借りているので工事を担当するのもNTT委託工事業者です。
NURO光がNTTの回線をレンタルして光回線を提供していることがわかったところで、次は「なぜNURO光が高速インターネットを実現できているのか」を解説します。
NURO光が使ってるNTT回線「ダークファイバー」とは
上記でご紹介したように、NURO光は他の光回線事業者(光コラボレーション)と同様にNTTの回線を借り受けて光回線のインターネット接続サービスを提供しています。しかし、他の光回線事業者と異なるのは、NTTの光回線のうち、設置したものの使われていない回線を使用していることです。
そこでここからは、NURO光で利用しているNTT回線「ダークファイバ―」についてご紹介します。
NURO光で利用するダークファイバーについて
NTTは光回線(光ファイバー)の設置には手間とコストがかかるため、あらかじめ予備として多めに光回線を設置します。その為、設置したものの使用されない光回線が余っていることになります。
この多めに設置して余っている光回線を「ダークファイバー」と呼んでいます。
フレッツ光などで使用中の光回線は明るい為「ライトファイバー」と呼ばれることがあります。対して、使っていない光回線は光が通っておらず暗いため「ダークファイバー」と呼ばれるのです。
NTT回線の「ダークファイバー」を使っているから安いのか
2001年に総務省がNTT東日本・NTT西日本にダークファイバーの開放を義務付けたことで、NTT以外のインターネット業者がダークファイバーを借り受けることが可能となりました。
NURO光が光回線の事業をスタートしたのは2013年なので、上記でご紹介した利用していない光回線「ダークファイバー」の開放を受けてサービス提供に踏み切ったと言えます。
ダークファイバーはNTTが使っていない回線の為に安く借り受けられると考えられます。NURO光の価格(月額料金)が他の光回線事業者と比較しても安い理由の1つとなっている可能性は高いでしょう。
NURO光が速いのはNTT回線の「ダークファイバー」だから?
NURO光が使用しているNTT回線の「ダークファイバー」は、それ自体が他のインターネット接続サービスの光回線よりも優れた性能を持っている訳ではありません。使用されていなかったというだけで、まったく同じものです。しかし何故、NURO光は高速のインターネットが可能なのでしょうか?
NURO光が最大2Gbpsの高速インターネットを実現可能な理由は主に以下の2つの理由です。
- NURO光が優れた通信技術(GPON)を持っている。
- NURO光で利用する光回線の利用率の違い。
そこでここからは、NURO光が速度は速い理由である通信技術「GPON」と利用率についてご紹介したいと思います。
NURO光が高速な理由その1:GPON
光回線を複数のユーザー宅に届ける技術を「PON(Passive Optical Network)」と言います。フレッツ光を始めとして、現在日本の光回線事業者が使用しているPON技術はGE-PONがほとんどです。
GE-PONとは家庭内で使用されるLANと同様の通信方式で最大約1Gbpsとなります。汎用機器を使用するため、コストが少なくすむのがメリットです。
一方、NURO光ではGPONを採用しています。
GPONはデータを分割して送ることで効率を高め、最大約2Gbpsのスピードを実現しているので、他のインターネット接続サービスよりも速度が速いと言えます。
NURO光が高速な理由その2:光回線の利用率がまだ少ない
NURO光はNTTから「ダークファイバー」という余っているNTTの光回線をシェアドアクセス方式という方法で借りて提供しているインターネット接続サービスです。
シェアドアクセス方式は、1本の光回線をNTT局内で4つに分岐させ、さらに局外スプリッターで8分岐させてユーザー宅まで届ける方式です。つまり、NURO光のユーザーは最大2Gbpsの光回線を32世帯で分け合うことになります。しかし、実際には8分岐された区画に8世帯のユーザーがフルで存在することは現状では「ない」と言って良いでしょう。
対してNTTフレッツ光、光コラボ事業者も1本の光回線を同じシェアドアクセス方式で分け合っていますが、ユーザー数が圧倒的に多くなります。NTTフレッツ光と光コラボのユーザー数からすると、8分岐された区画に8世帯が存在することもあり得るでしょう。
NURO光は前述したGPONによって最大2Gbpsの通信が可能となっています。その為、家庭で使用できる回線速度の違いをわかりやすく説明すると下記のようになります。
NURO光:2Gbpsを32分岐し、3ユーザーで分けあう…約666Gbps
その他の光回線:1Gbpsの32分岐し、25ユーザーで分けあう…約40Gbps
ユーザー数だけが速さの理由だとすれば、「今後NURO光のユーザーが増えれば遅くなるか」と言えばそのとおりです。しかし、分母がおよそ倍の2Gbpsであることや、現状のシェア率から見てもすぐに影響が出るとは考えにくいと言えます。
まとめ
この記事ではNURO光で利用しているNTT回線「ダークファイバ―」を中心にご紹介してみましたがいかがだったでしょうか。
NURO光はNTTのダークファイバーを活用して高品質のサービスを提供です。NURO光とNTT回線のダークファイバーの関係について疑問は解消されたのではないでしょうか。今回の記事をまとめると「NURO光はNTTからダークファイバー(使っていない光回線)を借りている。」「NURO光の速さは独自の通信技術GPONの影響が大きく、ユーザー数も多少影響している。」となります。NURO光の速さとダークファイバーは直接的な関係はありませんが、高品質のサービスを低価格で提供できているという点では深く関係していると言えます。
今お使いのインターネットが遅い、特定の時間帯に遅くなるといった問題に悩まされている方は、NURO光への乗り換えを検討してみませんか?NURO光の速さは理論値だけでなく、評判や口コミでも高評価を得ています。NURO光で快適なインターネットを楽しみましょう。